隠居の独り言(174)

テロの問題を考えてみると国家も人間に似て三段階の成長期があるようで
第一期は幼児期で自他の区別が出来なくて他人が持っているものを何でも
欲しがる。第二期は成長期で自他の区別を判断でき自らの意見をはっきり
言い他人の意見も多少は聞くが相手の欠点は分かっても自分は分からない。
第三期は成熟期で自他の区別を客観視するもう一人の自分を持てる時期で
国別で言えばイラク・イラン・北朝鮮などは典型的な第一期だが中国も
5000年の歴史とはいうものの政権は転覆、新生の繰り返しで今の政権の
共産国家も生まれて50年も経っていないせいが幼児期の性質に似ている。
ロシアの強権主義もソ連時代と殆んど変わらずに未熟なガキそのものだ。
アメリカだって建国200年そこそこで成長期の最中というところだろう。
自らのアメリカン民主主義を掲げそれに反対するものは力でねじ伏せる。
そういう連中が国連の常任理事国なんて呆れたものだがこうしてみると
世界の国々は自己主張が強く幼児期を脱していないのが多いが、といって
偏屈になる事もなく妥協したりすると相手はますますつけあがってくるが
国家の成熟も培われた歴史の長さと深みが大いに関係している気がする。
戦後の日本は相手の顔色を伺いながらの謝罪の外交の繰り返しだったが
視点を変えれば相手の事情も考慮の出来る第三期の成熟した国家であり
大人の資格は充分にあると思う。戦後は一発の銃弾も発射してはいないし
死の商人である武器輸出も国策で禁じている。先進国の中でこのように
自らを平和国家として誇れる国はあるだろうか。日本人も自信を持とう。