隠居の独り言(199)

今日10/19日は日本とソ連(ロシア)とが戦争状態に終止符を打ち国交回復を
して共同宣言に調印して50年を迎える。その共同宣言は「平和条約締結後に
歯舞・色丹の二島を返還し国後・択捉については交渉の中で協議する」との
ことで妥協したが50年もの長い年月を経てもロシアは一片の誠意も示さない。
北方領土は日本の固有のものに議論をはさむ余地も無いが裏を返せばあの時の
返還交渉のまずさが禍根を残す結果となってしまった。商談交渉でもそうだが
価格を決めるときはあらかじめ値切られる事を前提に最初は高めの値段を出す。
外交とはポーカーに似た交渉事で初めから手の内を全て見せるのは愚の骨頂だ。
北方領土に例えれば最初から四島でなく千島列島全体をテーブルの上に出して
交渉すればいいのでその過程で四島に落ち着いたと思う。千島列島は1875年に
ロシアと交わされた千島樺太交換条約で日本の領土になった島々で戦争で得た
領土ではない事は周知の事実だ。ロシアはいつも終戦直前に米英露で行なった
ヤルタ会談を持ち出すがあれは彼らの密約で当時の日本のあずかり知らぬ事で
正式の国際条約ではない。ブッシュ大統領は昨年「ヤルタ会談とは史上最悪の
出来事だった」と吐露して日本にエールを送っている。日本の弱腰の外交では
いつも相手にいいように扱われて泣きを見るのは情けない。プーチン大統領
好きになれないのはあの冷酷な姿と態度だが今のロシアを物語っているようだ。
気になるのは最近の国会答弁でも領土問題がおろそかにされている事。野党も
つまらぬ歴史認識などで時間を潰さないで領土で与党と議論してもらいたい。
世界の国々のほとんどは腹黒い。北方領土竹島尖閣の横暴な近隣の侵略に
立ち向かうには安倍晋三のモットーにしている「闘う政治家」の本領を充分に
発揮して真剣に闘うべきだ。平和の美酒に酔っている場合じゃない。