隠居の独り言(201)

先週中川昭一自民党政調会長が「日本に核が有ることで攻められる可能性が
低いという論理はあり得るわけだから議論はあっていい」と語った事に対し
野党だけでなく自民党内部まで「ゆゆしき問題」と驚くほどの反対論が出て
米国のブッシュ大統領も「中国が懸念している」と心配をしたし、来日した
ライス国務長官も日本は「核の傘」で守りますと我が国の核保有を牽制した。
でも中川発言は正論で問題提起は決して間違ってはいないと思う。北朝鮮
核を保有し中国、ロシア、印度も持っている現状のなかで核の議論がなくて
日本の安全保障をどう位置づけたらいいのだろう。いずれ韓国や台湾だって
核開発がドミノのように北東アジアに広がれば日本だけが蚊帳の外になって
「置いてけぼり」になる。中川発言はまさに「瓢箪に駒」で下手な国連の
北朝鮮制裁決議よりもアメリカや中国の心中を震撼させた。核開発競争は
世界の悪夢で絶対に容認出来ないが、北朝鮮の核より技術のはるかに進んだ
日本の核開発のほうが精度も格段上でアメリカや中国など神経を尖らせる。
中国は北朝鮮に怒りをぶつけ米国は包囲網を真剣に周辺諸国にライス長官を
派遣させて核の防火に必死にさせた。中川発言に賛同の麻生一郎外務大臣
内心「してやったり」と思っているに違いない。たまには言ってみるものだ。
朝日新聞の「天声人語」では憲法9条が「戦後の唯一の配当」としているが
それが足枷となって集団自衛権にも加われず自衛隊北朝鮮派遣も出来ない。
船舶の臨検一つとっても日本は船長に要請して調べさせてもらうが拒否なら
それまでで、他国は船舶を威嚇して強制的に臨検をするがこれも法律の壁だ。
拉致の問題も含めて日米中韓露が共同歩調を取ろうとしているこの非常時に
日本だけが別行動で指を咥えている情けなさと、世界中にコケにされてまで
まだ気付かない多くの日本人に「目を覚ませ」と大声で叫びたい。