隠居の独り言(204)

北朝鮮の外務省談話「あらゆる波風にもびくともしなかった我が共和国が
堂々たる核保有国になって誰それの圧力や脅威に屈する事は話にならない」
素人の目にも北の崩壊が近づいているのは感じとることは出来る。中国は
先日に訪問した扇千景参院議長との会談で胡錦濤国家主席は異例の厳しい
表現で「国際社会の強烈な反応を知らしめる必要がある」と北を非難した。
北朝鮮は中国から食料や石油の大半の供給を仰ぎ、中国の保護国のような
もので「生殺与奪」は中国の考え方次第で、どのようにもなってしまう。
小さなワンチャンが虚勢を張って太陽に向かって吠えているようなものだ。
大切な娘を拉致されて早くも29年の歳月が流れた。横田めぐみは今年で
42歳になる。彼女の人生の3分の2以上を破壊させ慣れない異国の地で
強制的に暮らさなければならなかった怒りは誰に向ければいいのだろうか。
たとえ一人でも相手の国家犯罪なら昔なら戦争だ。明治の初めに沖縄の
漁師が台湾住民に殺傷された時、すかさず大久保利通は台湾に派兵した。
拉致の問題が明らかになった時点でも、北朝鮮に返還も賠償もする意思が
無いのなら普通の国なら軍隊を派遣して取り戻しに行くのが通例なのだが
「法律の壁」が邪魔して出来ないのはなんと歯がゆいことなのだろうか。
拉致被害者の身になってみれば「平和・平和」と謳っている場合じゃない。
北朝鮮への制裁を訴え続ける被害者の本心は、早く政権が崩壊して無事に
拉致された人々が帰る事で、今まで手を貸すことも出来ずに無為に流れた
日々は悔しいが、もう少しの辛抱と願わずにいられない。