隠居の独り言(208)

食欲の秋、食べ物はなにもが美味しく普段よりつい多く食べてしまう。
メタボリックシンドロームつまり肥満からくる生活習慣病のひとつだが
先日、内閣府世論調査では年代を通して半分ぐらいの人が肥満を感じて
大半の人が運動不足と自覚している。生活習慣病なのだから生活習慣を
変えれば何も言う事は無いが、そこが人間の弱さで「分かっちゃいるけど
止められない?」イタリアの20世紀最高のソプラノ歌手マリア・カラス
30歳年上のメネギーニと結婚したが旦那は女出入りが激しくて自分も美しく
なろうとしてサナダムシを体内で飼って105キロあった体重を半年でなんと
55キロまでに落としたと言う。彼女は後に離婚してギリシャの海運王だった
オナシスとの恋は有名だが、それはさておき、ここまでの減量は命がけだが
そこまでしなくも食事を腹八分目にするとか酒の量を減らすだけでも結構の
効果はあるという。戦中戦後の餓えた時代を経験した者にとって今の世相は
何と贅沢なバチアタリの生活だと思う。当時は肥満の人はほとんどいないし
糖尿病は贅沢病とさえ言われた。最近の人の食べ物の好き嫌いが多いのは
いただけないが、いちど飢餓の体験をしてみるといい(出来るわけないが)
レストランへ入っても食べ残す人が目に障るがそれはマナーに反しているし
始めからそれほど注文するのが間違っている。日本の食料品の大半が輸入に
頼っているのに無駄になるのは輸入全体の3割を超えるというから呆れる。
バイオ食品とか、アメリカ牛肉をとやかく言う前に「勿体ない」を忘れた
日本人の傲慢のツケがメタボリックシンドロームという今まで知らなかった
病名を知らねばならない笑えない喜劇が悲劇を生んでいる。