隠居の独り言(211)

最近の日々は仕事の忙しさや孫の世話に時間を割かれてボランティアの
ホーム慰問もままならないしギターの練習時間も減って両立は難しい。
それでも先週の土曜日に久しぶりに近くのホームでギター演奏をした。
区のボランティアセンターに慰問演奏を登録してあって時々施設からの
要請で伺うことにしているが今回も音楽療法士の手伝いで演奏をした。
ホームへ行くと、なかには惚けたお婆さんが童謡を歌ったりしている。
幼い頃に戻って「二度わらし」になって覚えていることは脳の一番深い
部分に入っているわけで心の原風景なのだろう。そこを啓発して刺激を
与えてあげるのが音楽療法で血流を促し身体にはとてもいいらしい。
リズムに合わせて手足を動かし子供の頃に覚えた歌を聴いて感情が蘇る。
私も慰問を始めて10年過ぎたがお年寄りの層が代わると好まれる曲も
徐々に変わって現在が60代では歌謡曲、70代では童謡、80代では唱歌
90代ではわらべ歌と、世代によって歌は世につれ世は歌につれの感だ。
音楽療法士の話では入所されている人達は自己表現がうまく出来ないが
昔聴いた曲には敏感に反応するので出来るだけその世代の音楽を演奏して
ほしいとの事だが最近のボランティアの方の演奏曲が聴いている人との
微妙な好みの差が気になるそうだ。ボランティア演奏も一概には難しい。
話しは変わるが先日の小学校音楽会でも童謡、唱歌の類は無く、とても
淋しい思いがしたが文部科学省音楽学習指導要領でも昔の童謡唱歌
殆どはずしていて何とも勿体ない。「箱根八里」♪箱根の山は天下の険、
函谷関もままならず・・「荒城の月」♪春高楼の花の宴・・理由としては
歌詞の意味が難しいからなのだそうだが、それを教えるのが学習ではないか。
今の子供たちが老いたとき「二度わらし」はなんだろう。