隠居の独り言(219)

私の現在の身長169㎝体重55㎏で若い頃からあまり変わっていないが
生まれてこのかたの70年間には日本人の体格の変化は著しく向上して
目を瞠はるものがある。小中学校の頃の背の高さはいつもトップで随分
得をしたものだが15歳で上京して以来は年下の人に徐々に追い越されて
今は平均以下になり見も心も小さくなってしまった。体格向上は調査も
行なわれて、ほぼ10年ごとにJIS規格が見直されてアパレル、日用品、
住宅、家電、自動車などの産業分野の製品開発にも活用されている。
規格の変更は設備や段取りの変更も余儀なくされるが業界人のはしくれと
して今昔の感じだ。弊社の主力製品の帽子も戦後の頃は頭周り56㎝が
平均だったが現在では58㎝ぐらいが主流になっている。私の着る洋服も
若い頃はLだったのがMになり最近ではSでないと身体の寸法に合わない。
私の生まれた1930年代は男子の成人平均身長は158㎝だったが1980年
162㎝、1996年165㎝、2006年172㎝と、ここ10-20年の間に急速に
伸びて今の若い人は欧米人とけっしてヒケをとらない。プロ野球選手も
みんなスタイリッシュになって今年のMVPの小笠原道大、福留幸介
など一昔前なら想像出来ないぐらいになって見ていて気持ちがいい。
体力面でもメジャーで大活躍のイチロー松井秀喜たちや来年から
期待されている松坂大輔などは今までの日本人のレベルではない。
先日もTVで戦後の巨人阪神戦を見たが巨人の川上哲治青田昇
阪神の藤村登美男、別当薫など当時のスター選手も今や野暮ったい。
食料、医学、環境など原因は多々あるが年月が後で生まれるほどに
大腿骨などの長骨が長くなっているそうで今の若い人は胴短長足で、
戦前生まれの胴長短足の私には羨ましいかぎりだ。