隠居の独り言(220)

拝啓、石原慎太郎都知事さま、私は若い時からのあなたのフアンで戦後復興の
時期に執筆された「太陽の季節」の作品を何度も読み返して感動を覚え憧れと
夢を貰ってあの時代を生きた戦友の気持ちで尊敬の念を感じてまいりました。
衆議院議員時代や都知事になられた後もあなたの著作を読み、政治的な考え方
行動力、モノ着せぬ発言など、世間を見る洞察力の確かさには感服そのもので
ございました。不世出の俳優故石原裕次郎を弟にご子息は石原伸晃石原良純
石原宏高等々の国会議員たちの華麗な一族の長として、しかも姿格好の良さは
都民の一人として誇りです。最近の風潮のようになった全国的な数々の知事を
巻き込んだ官製談合事件にも我ら都知事には遠い世界のように思っていますし
都知事美濃部亮吉青島幸男が残した負の遺産も早々と片付け首都東京を
蘇らせた業績は目を見張るもので都民の大半はあなたを支持しているはずです。
多少の高慢気味もあなたの正論に薄れて快感さえ感ずるほどご立派に映ります。
ところがそんな信頼を裏切るような事柄はあなたが1999年の知事就任以来に
海外出張された19回で2億4000万円もの税金が使われていた事が明らかに
なった事です。東京都では条例で知事の宿泊費、交通費など経費を定めていて
宿泊費は1泊4万200円までと規定されているそうですが、あなたはなんと
一泊26万余りのホテルに宿泊されたこともあったとか、公人ではない夫人の
宿泊費も公費でまかなわれ同行の秘書達も一泊10万の部屋に宿泊し飛行機も
あなたとの打ち合わせを理由にファーストクラスを使用していたそうですが
これに対して「それは知らないよ、私は。そういうことは事務局に言ってくれ。
何も豪勢な旅行しようと思って行っているわけじゃない・・」とのお話ですが
都民から集めた税金を使う公僕としての意識があまりにも不見識だと思います。
むろん豪勢な旅行は結構ですがご自分のマネーで楽しまれてはいかがでしょう。
不肖、私も小さな会社を営んでいる一企業人ですが出張の時などは出来るだけ
経費を掛けずに宿泊は安ホテルで済まし電車はむろん自由席です。零細企業は
節約をしないとやっていけませんし勿論のこと法人税や源泉税など諸々の税は
きちんと払っています。石原慎太郎都知事さまに言いたいのはあなたの視線を
もっと低くしていただきたい。庶民の生活を肌で感じて欲しいのです。 敬具