隠居の独り言(252)

団塊の世代様、長年のお勤めご苦労様でした。思い起こせば昭和30-40年代に
金の卵ともてはやされ集団就職で首都圏の工場などに働くため上京された方や
学生のときには全学連などを経験された方も多く若い日々は激動の時代を経験
されたあなた方ですが、日本の高度成長時代を担われて現在の豊かさの基礎を
築かれた事に私たちはとても感謝しています。今年の2007年問題は年代別では
最も人口が多いとされる昭和22年生れの団塊の世代どのが60歳の還暦を迎えて
長年に勤められた職場を定年退職されて、どっと年寄りの仲間が増えてますます
少子老齢化社会が進み社会の環境や仕組みも変わっていくのは時の流れでしょう。
昔の武家社会では15歳で元服し、20歳で結婚、40歳で隠居の身となりましたが
現在では人生の節目がそれぞれ20年位遅く、これからも寿命も延びるとなれば
定年後に好きなものを何事も、一から始めても完成度に近づく時間はたっぷりと
あるはずでいい時代がやってきたとつくづくと思います。けれど職場の拘束から
解放される反面に収入も減るかもしれませんが歳を取ればお金も掛からなくなる。
働くための飲食代、洋服代、交際費など職場と縁が切れれば必要が無いはずです。
「なにごとも四十過ぎてがおもしろし」は江戸の古川柳ですが今に置き換えれば
人生の楽しみや面白みは60歳を過ぎてからの円熟期にあるのは申すまでもなく
江戸の昔も隠居文化が華を咲かせて彼らの残した名品名作は日本文化の誇りです。
長い人生にはたびたび転換期がございました。親元を離れた時、就職をした時、
結婚をした時など、でもそれぞれには親のため、伴侶のため、子供のため等に
ときには自分を犠牲にしてまで全うしなければならない責任感も味わった時代を
乗り切って今を迎えられたはずです。でもこれからは自分を中心に考える時です。
自分一人でかち得た実りを自らの誇りと楽しみのために人生を謳歌してください。
それと古希の先輩からご忠告を一言、お金は子供や孫のために出費しない事です。
あくまで自分を一番に考え円熟した人生を楽しむことは子孫のためでもあります。
昭和22年生まれの俳優&歌手の寺尾聡は往年のヒット作ルビーの指環を再録音、
意気上がる彼の言葉は「GO ON」で、これからゆっくりいこうと語っています。
これからの素敵な人生の華に、先輩として拍手を送ります。