隠居の独り言(259)

宮崎県知事選挙で元タレントのそのまんま東が、各政党が推す候補を圧倒的な
支持票で当選した事は、裏を返せば今の政治不信がいかに根深いかの表れだ。
過去の青島幸男横山ノック田中康夫を言うまでもなく、地方行政に素人の
タレントが知事になったからといって地方議会との軋轢を招くだけで、むしろ
デメリットの部分が多かった。タレントは人気が下降気味のときに起死回生を
狙って選挙に立候補するのは枚挙にいとまがないが敗れる政治家もそれだけの
実力や行動力も無いとはとても情けないと思う。前知事の官製談合の辞職での
選挙の焦点が政治と業界のしがらみがテーマだったが、その常識以前の問題を
議論しなければならない宮崎県民も哀れだがそれでも知名度だけで当選させた
県民の姿勢は県政の多分に起こるであろう混乱を承知しての投票だったのか。
今回のそのまんま東を含めて今までには多くの元タレントが議員や地方の長に
立候補して当選を果たした人は多いけれど、しっかりとした業績を残したのは
どれほどの人数だろうか。扇千景石原慎太郎舛添要一小池百合子などは
要職に付いているがタレントの知名だけでは実質を伴わないのは論を待たない。
地方に行くとテレビなどで有名になると「おいらの町の有名人」という事で
担ぎ上げようとする人が多いが地方分権にどれだけの見識があるのか見ものだ。
かつて米国は俳優のレーガンが大統領になり国を強固なものにしてソ連を崩壊
させたその政治手腕はたいしたものだったがタレントもそこまでいけば立派だ。
そのまんま東のかつてビートたけしと写真週刊誌に殴り込んで警察沙汰になり
女性問題でも世間を騒がせたのは不問にしても宮崎県民は知事にふさわしいと
判断した理由は、官製談合事件の直後でもあって保守分裂が何よりの原因だと
自民党中川秀直幹事長が言うが、政治不信が最大の要因だと思う。