隠居の独り言(267)

女性を「生む機械」と暴言を吐いた柳沢伯夫厚生労働大臣は国民からの非難は
当然だが野党から与党の一部まで辞任要求が出て孤立無援、四面楚歌の状態は
身から出たサビだから恭順の意を示す以外に仕方がない。いっそのこと議員を
辞職なさってはどうだろう。当選回数も8回を超えて国土庁長官、金融大臣、
そして厚生労働大臣を歴任すれば既に実のある最高の人生を送れたはずなのに
どうして今の立場になってあの暴言は一般常識からしてとても信じられない。
兼好法師徒然草に「よき人はあやしき事を語らず」という一節があるけれど
「かつあらはるるもかへり見ず(すぐ露見も考えず)口にまかせて言い散らすは
やがて浮くたる事と聞こゆ」兼好法師は更に「めでたしと見る人の、こころ劣る
本性見えんこそ口をしかるべけれ」と結んでいる。誰だって親しい人や酒の席で
本音を話す事もあるが、それによってその人の性格や程度の差も分かってくる。
つまり柳沢大臣は性格も自己中心的で人格の程度も話す言葉の内容で国会議員の
資格が疑われる。人は歳を重ねて、ある程度の人生の研鑽を積めば言葉や行動に
円熟味や教養の人間像が出来て、節操の無い暴言などは殆ど出てこないはずだが
彼の言葉は程度の悪い若造が飲み屋の酒の席でわめき散らしている、はしたない
喋りとたいして変わらない。自分ほどエライ奴はないと思っている人間はすでに
驕慢の域を出ているが、彼にとってあの暴言だって、普段の考えや行動している
事がらが何気なく出てきた言葉で女性蔑視の氷山の一角に過ぎない。どのような
環境に生まれ育ったかは知る由も無いがその後も権力にしがみつこうとしている
厚顔無恥な彼の姿勢はとても醜く写る。女性を敵に回しては参院選挙も勝てない。
スマートで新鮮を売りにした折角の新生安倍晋三内閣も閣僚たちの勝手な暴言や
失言続きの満身創痍では心もとない。いっそ出直してはどうだろう。