隠居の独り言(272)

前立腺ガンの全摘出手術を受けて4年が過ぎたが先日の血液検査でもPSA値が
0,01以下だったので、ひとまず安心だがガンの場合は術後5年目の精密検診で
安全を確認できないと無罪放免にならない。陛下も罹患されたが術後は順調に
回復されて、お元気にご公務をこなされ同慶の至りだ。けれどもノーベル賞
湯川秀樹、歌手の三波春夫、映画監督の深作欣二など同病で命を落としている。
どのガンでも手術後の再発や転移は、症状は難しく完治の見込みは薄いという。
それだけに、もしガンに罹れば摘出手術は一発勝負であとは天命に頼るしかない。
ガンとは自らの細胞が壊れていく病気で初期の段階では無症状なのが殆どだが、
その辺りは厄介なもので初期発見のためには毎年の体の定期健診は欠かせない。
日本人の3人に1人の割で死亡率1位だが、ガンを患っていても高分子ガンで
症状の進行が遅い人や、別の病気や事故などで亡くなる人々も計算に入れれば
日本人の半分以上の人がガンに罹ることになる。しかし自分の経験から言えば
ある程度運命的な部分もあるが、ガンはそれほど恐れる事はないが、侮っては
ならない。初期に見つければ殆どが手術や放射線で完治も可能で普段の生活に
食事や運動、睡眠などの良い習慣を身に付ければ罹る可能性は一段と下がる。
今にして思えば発病する前の生活は身体には相当に負担を掛けたものだった。
仕事その他諸々の事情が重なって体は酷使され、食事や睡眠時間はままならず
還暦を過ぎても若い人並みの使い方をしていれば無理が祟るのは当たり前だ。
人は誰もが経験をしないと学習が出来ない。歳相応というものがいかに大事かは
身を持って知ったが病気いらい生活の習慣を変えた。食事は3食とも腹八分目、
睡眠時間は7時間、仕事量を減らす、ランニングは歩行に、無理をしない趣味、
義理はできるだけ欠く、家族との親睦を深める等々で、残量の少ない人生だが
あとは神さまがいい塩梅に計らってくださるだろう。