隠居の独り言(278)

春闘が始まっている。今年の春闘は企業の業績が一般的に上がっているので
賃上げ交渉になっているが、例えばNTTの場合は全従業員の年収が平均で
約900万弱だが労組は1ヶ月2000円の昇給を要求し経営側と交渉している。
春闘を先走るNTTの交渉は各企業の注目の的だが産業は既にグローバルな
時代になって国際的にも日本は最高賃金水準なのに各企業が賃上げをすれば
インフレに繋がるだろう。輸出で支えている現在の景気にも影響は大きい。
一部上場された大企業の従業員は賃金も一般より相当に高いのだから労組は
その辺りも考えてもらわないと自分たちだけ良ければいいいうものじゃない。
そもそも会社は誰のものか。会社の持ち主の株を保有している人への報いは
1株、約640,000円、配当金は6,000円で利回りは僅か0,93%に過ぎない。
会社の中には配当金の他に株主優待があって商品や優待券などのサービスが
あるがNTTはそれも無い。電話料金を下げるとか器具を提供するぐらいの
気持ちがあってもいいのではないか。株主はそれを何年にも甘んじてきたし
売り出し当初は銀行も株を買う人に資金を貸付けてブームを煽ったが現在は
それよりも大幅に下がっているのにNTTも銀行も責任を取ろうとしない。
株主の中には老後の資金の使いこみや借金で買い過ぎて破産した人もいる。
欧米の各企業は会社が儲かれば、まず株主から分け前をするが、資本主義の
原則からいえば当然ではないか。会社は従業員だけのものじゃない。資本が
あってお得意さまがあって成り立つものではないだろうか。利益が上がれば
配当金を増し、売る単価を下げてサービスする、次に備えて設備投資をする。
企業業績に影響のある人件費のアップはその後に考えるべきで、労使双方は
そこのところを勘違いしないでほしい。マスコミも日の当たる一流企業より
働く人数では圧倒的に多い中小企業や町の商工業などをもっと取材するべきだ。