隠居の独り言(286)

2007年プロ野球もすでにオープン戦がスタートしたが、選手の世代変動が
今年はとても大きく変わった気がする。昨年は惜しまれつつも野球を離れた
新庄剛や、米メジャーにいった松坂大輔井川慶岡島秀樹岩村明憲など
イキのいい選手は離れていったが、ハンカチ世代とも言われている、楽天
田中将大、ロッテの大嶺祐太、ホークスの福田秀平、中日の堂上直、などが
楽しみな逸材だ。かたやPKコンビの清原和博桑田真澄には往年の活躍は
期待出来ないし中日に育成選手として入った中村紀洋はどこまでの期待度か
計れないが一連の彼の経過もいろいろと考えさせられた出来事だったと思う。
イチロー松井秀喜を見るまでもなく米メジャーは選手にとっては憧れかも
しれないが、優秀な選手に育ってアメリカ行きとは日本のプロ野球はまるで
アメリカンメジャーの養成場のようで何とも情けない気がしてならない。
「巨人、大鵬、卵焼き」の黄金時代は遠い昔の話だが、もし天覧試合辺りの
長嶋茂雄王貞治村山実が今の選手だったらメジャー行きは確実だろう。
日米野球の格差が縮まったのは結構だが、それだからこそ選手たちは日本に
留まって本当の意味でのワールドシリーズをやってもらいたいものだ。
話題は多いがかつての野球人気をどこまで取り戻せるかが今後の課題だろう。
野球に対する環境はたしかに厳しいものがあると思う。どの公園や原っぱも
球技禁止でキャッチボールをしている子供も大人も滅多に見かけなくなった。
たまにある野球場も順番待ちで、草野球もままならない状態では草の根から
野球をダメにしている。六大学もかつての勢いが無いし高校野球も然りだ。
孫が通う小学校も野球のクラブの人数が足りなく隣の小学校と合同になって
キャッチボールをしているが、このままでは将来は消滅するかもしれない。
たかが野球、されど野球だがベースボールを「野球」と名付けた正岡子規
草葉の陰でどう思っているだろう。