隠居の独り言(299)

いくら仲のいい夫婦でも長年暮らしていれば意見の違いや喧嘩の一つや二つ、
中には別れ話まで発展することもあるだろう。ましてや近所のお付き合いや
友人ともなれば誤解や些細な事で疎遠になったりするのは世の習いだろう。
最近、日米関係が怪しくなってきている。六カ国協議では米朝二国間だけで
話し合わないと約束しながらそれを簡単に反故にして金融緩和の飴を北朝鮮
与える意図は日本の拉致問題を念頭に置くといったあの言葉は嘘だったのか。
横田さん夫婦の拉致事件の証言や映画で本気で泣いてくれたアメリカ人が
涙の乾かないうちに半世紀以上も前の慰安婦問題で日本非難の決議をしようと
している。たしかに日本側にも落度があったと思うが、ろくに調べもしないで
旧日本軍が女性を強制連行して慰安婦にさせたといういわゆる「河野談話」が
一人歩きをしてあたかも歴史的事実のように諸国に思わせた罪も大きいと思う。
しかも代々の内閣がそれを容認してきた責任はそれでも政治なのかと問いたい。
アメリカ下院の決議案は「20万人の女性が奴隷化され多くの慰安婦は最終的に
殺害されたり自殺したりしている」そして「旧慰安婦に対する経済的措置云々」
結局はお金のことが纏わりつくが20万人という数字や最後には殺害されたとか
北朝鮮、韓国の主張そのものを、そっくりアメリカ下院が決議しようとしている。
それならそれに対抗して戦後の進駐軍が命じた特殊慰安設備の事を日本の国会で
人権に対する罪で決議すればアメリカ下院は何と返事が返ってくるのだろうか。
今までに築き上げた日米関係の信頼性はそんなに簡単に脆いものだったのか。
嘘800の小さなチンピラにいいなりになるアメリカの威信はどこへいったのか。
今から95年前の1912年に日本からアメリカへ贈られたポトマック河畔の桜は
日米親善の証しとして今年も美しく咲くことだろう。けれど歴史はその辺りから
日米関係はぎくしゃくしたものになり、結局は戦争の悲劇へと幕が進んでいく。
「歴史は繰り返される」1世紀前の出来事をよく検証して教訓にしたい。