隠居の独り言(301)

都知事選挙が始まった。東京都は莫大な財政力を持ち全国都道府県で一人勝ちの
地方交付税を受けない地方自治体だが、その規模の大きさはインドの国家財政と
同じだというから凄いものだ。石原慎太郎が知事になって8年が過ぎ都の政策は
ディーゼル車の排ガス規制、外形標準課税、公会計制度などは全国的に広がって
良い方向に進んだが石原慎太郎の歯にきぬ着せず物申す独裁的なところが難点で
反石原の浅野史郎黒川紀章吉田万三ドクター中松などが立候補しているが
実質的には石原慎太郎に敵う人物にはツブが小さい気がする。いっとき民主党
管直人の名前も出たが彼が立候補したとしても石原慎太郎とは互角に戦えない。
浅野史郎民主党社民党のバックがあるが具体的な政策があまり見えてこない。
東大出身の官僚型の政治は面白くないのは定評だが彼もその域を出ないのでは・・
勝てるのは私見だが今なら小泉純一郎しかいない。総理を勤めた人物が今更とは
思うが明治の昔に総理を経験した伊藤博文が当時は地方だった朝鮮総督になった。
ともかく良きにつけ悪しきにつけ「東京の顔」になった石原慎太郎に期待をする
方向しかないのが現実だ。かつて万年青年の格好良かった彼も長い政治家稼業で
胡散臭くなって、あのシタリ顔は食傷気味だが適当な人物がいないのも事実だ。
けれど彼の掲げる五輪の誘致は昭和39年の東京オリンピックを経験した者には
いい思い出で、これからの若者にもあのムードをぜひ体験させてあげたいと思う。
反対するほうはお金や環境の事を問題にするが東京オリンピックを機に新幹線の
到来や東京の特に南西部の発展は目覚ましいものがあったし、この手の催し物は
付加価値が大きいのでおおいに賛成だ。亡き前都知事青島幸男は都市博覧会を
中止して評判を落としたが「お祭り」は景気の副産物のような気がしてならない。
石原慎太郎に物申したいのは豪華な交際費や海外出張の事を分かりやすく都民に
説明してほしい。そしてなにより真摯な態度で都民に接するのを旨とするべきで
折角の彼の力量が奢りの姿勢でご破算にしているのは実に勿体ない。