隠居の独り言(312)

解散、選挙、除名、刺客、造反、贈賄、復党、論功、除名、報復、失職
政治の世界の事柄は書けばキリがない。政争は人類がこの世に出て以来
欲望の本能のようなもので古今東西、未来永劫、人類がこの地球上から
消えるまで無くなる事はないだろう。現代では選挙に負けて政治生命が
絶たれたといっても戦国時代と違い実際の命まで奪われることはないが
政争の構図は変わらない。あの時代を振り返ってみてあの大名があちらに
加担していれば流れが変わっただろうに、いやこちらに味方していれば、
あのような思いをしなくて済んだものにと結果だけ見れば、どのようにも
評する事が出来るが、人生の岐路に立った時に彼らは何を基準に自分を
選択したのだろうか。今と違って負ければ自分のみならず家族や家来まで
命の危険に晒される。封建時代は領主の判断で昨日の友は今日の敵になり
NHK大河ドラマ風林火山」では諏訪頼重小日向文世)が武田晴信
市川亀治郎)を今までの友邦を裏切るシーンから物語は進展していく。
危機に立たされた武田も山本勘助内野聖陽)の策が用いられ救われるが
後に諏訪が負ければ娘の由布姫(柴本幸)を戦利品として妾にしている。
ドラマは現代のモラルで描かれているが現実はそんなに甘いものじゃない。
先の大戦でも日本は連合軍に負けて東南アジアの現地では軍人や民間人が
捕えられ復讐のリンチのためBC級戦犯として1000人以上が死刑にされた。
戦争というのは昔から勝てば正義で負ければ残酷な仕打ちを受ける事になる。
由布姫が後に勝頼を生み、正統の義信の亡き後に武田家を継ぐが、ドラマは
勘助が由布姫に慕いながら結ばれない心情は切ないものがあったに違いない。
食うか食われるかの戦国に生きる彼らの厳しさは平成の良き時代に生きる
われわれには想像外だろう。