隠居の独り言(321)

アメリカの大学の銃乱射事件はまさにアメリカ社会の矛盾をさらけ出した悲劇だ。
人口3億人の人口で約2億丁の銃器が個人保有されているというから未成人の
数を引けば大人全てが持っている計算になるので「銃文化」も極に達している。
アメリカの憲法には「武装の権利」があって建国の理念にも由来しているだけに
銃器規制もなかなかはかどらない。十数年前には日本人学生も犠牲になった事が
あったが一時的には国民の規制の関心があっても時が経てば忘れられてしまう。
とどのつまりは合衆国憲法の改正がベターなのだが全米ライフル協会や商人達の
政治力や資金力で大統領や議会といえども口に出せない雰囲気にあるという。
アメリカ下院はくだらない慰安婦問題を審議していないで自らの尻に火が付いた
銃器規制の根本的な憲法問題を審議しないとはアメリカも愚かなものだと思う。
といって「人は見えても自分は見えない」憲法改正問題では日本だって愚かだ。
北朝鮮の拉致や核、韓国の竹島占拠、中国の軍拡やガス田、ロシアの北方占領・・
平和憲法とは言葉では美辞麗句だが相手から見れば攻撃をしても抵抗しませんと
宣言をしているようなもので近隣諸国になめられているのもそこに原因がある。
自前の憲法を作って自衛の権利を謳えば近隣諸国は日本にワルサをすれば自分も
怪我をすると気付いて気後れするはずだ。憲法とはそんなもので宣言するだけで
日本を見る目が変わってくる。中国の温家宝首相が来日し笑顔を振りまいていたが
目はけっして笑ってはいない。中国には核やミサイルがあり軍備の増強をバックに
要求したいものはきちんと述べる。国会では大人(たいじん)ぶりを発揮したが
演説後は与野党が全員拍手であの風景は中国や北朝鮮の国会と寸分変わらない。
アメリカも日本も、たまには自分を鏡に映してみよう。