隠居の独り言(322)

歴史にイフは許されないがNHK大河ドラマ風林火山山本勘助内野聖陽)や
武田信玄市川亀治郎)が甲斐や信濃の本州の山岳地帯でなく東海道に面した
尾張や近江に生まれていれば天下を取って日本史は大いに変わっていただろう。
戦国時代は大名同士のトーナメント方式の戦いで最後に勝ちをもぎ取ったのは
織田信長豊臣秀吉徳川家康の順で天下を治めたが彼ら全て愛知県人だった。
東海道は日本の背骨のようで源頼朝の時代から明治になるまでの政権を取った
人の全てが街道沿いの出身だ。中京地帯は当時の首都の京都へも近いし東国を
治めるにも便利な街道筋にあった日本の政治地理的な要所であったに違いない。
「近江泥棒に伊勢乞食」の言葉も実際は反面で現代も産業界の中心になっている。
武田信玄上杉謙信(ガクト)の二人はあれほどの実力を持ちながら惜しいかな、
生まれた場所が甲斐と越後であったため田舎の合戦で生涯を費やしてしまった。
しかもライバルが同等の力量があれば勝ち負けは別にしても全てを使い切った。
京都へ出て天下に号令するためには沿道に邪魔をする数多くの豪族をいちいち
退治しなくてはならないが地理的にも年数的にも不可能な事だった。織田信長
成しえたのは彼の才能のほかに生まれた場所の運が相当に幸いしたのは確かだ。
ドラマは滅んでいく諏訪一族の中で娘の由布姫(柴本幸)が生き残るのを望み
武田晴信の愛妾になって武田と諏訪の血を引く勝頼を産む展開となっていくが
由布姫にとってはこれが最良の選択で高望みは許されなかった。負け戦の辛さは
古今東西変わらない。