隠居の独り言(370)

一国の将たるものは冷徹な決断力が必要だが安倍晋三の妙に優しいところが閣僚達の
判断を誤らせている。「産む機械」の柳沢大臣をあのとき即刻罷免の申し付けをすれば
「水道水」の松岡大臣も自殺はなかっただろうし「しょうがない」の久間大臣だって
辞職の前に罷免の処置を取れなかったのだろうか。これらの閣僚たちは、年齢的にも
「老残」としか言いようがないし、首相を若輩と思って舐めているとしか思えない。
首相も任命権者として、閣僚にはあまり「年寄り」を閣内に入れないことだと思う。
そのあたり小池百合子新防衛相は、同じ補佐官上がりのアメリカのライス長官に似て
内容も容姿も格好いい。安倍晋三の閣僚人選は首をかしげる場合が多いがこのほどの
選び方はなかなか粋なものだ。語学も達者だし日米安保の主役として大いに期待する。
国家安全保障担当首相補佐官をした人に釈迦に説法だが今の憲法の制約があるにせよ
日本の自衛隊に普通の民主主義国家の軍隊としての要望はアメリカに強いものがあり
安倍政権の憲法改正論をふまえて小池防衛相はその辺りをしっかりやってもらいたい。
小池防衛相は当面の課題として普天間飛行場の移設や沖縄海兵隊のグアム移転などの
米軍再編計画の実現を掲げているが日米同盟の最重要課題であり、真剣に取り組んで
もらいたい。米国ステルス性の戦闘機の導入話も決まったら中韓が反対するだろうが
小池防衛相の培われた豊富な米国首脳部の人脈で何とかしたいものだ。久間前防衛相の
いい加減な認識には困ったものだったが、集団自衛権は国是のようなもので憲法9条
謳われている「交戦権を認めない」の条文は改めていかないと日本は周辺諸国からの、
あの手この手の侵略行為からは国土を守れない。日本はこれまで外国から侵略される
事態を想定しなかったために有事法制も設けずに米国だけを頼ってきたのも事実だ。
日本にミサイル攻撃をした国が出てきたら、その国の基地をたたくことが出来る力と
法律を急がないと砲身を向けられているのに実に能天気と思う。「戦争放棄」の憲法
持たされているのは世界で日本だけなのを知るべきだ。