隠居の独り言(380)

自民惨敗」「歴史的大敗」今朝の新聞の見出しは昨日の参議院選の結果を
大文字で伝えている。ある程度予想されていたけれど実に見事な結果だ。
今回の参院選挙でとても残念に思うのは安倍晋三首相がこれまでに行なった
政策で公務員制度改革、とりわけ官僚主導の政治からの脱却や、教育基本法
国民投票法など、今までの歴代内閣が手を付けなかった政策を実行したのに
高い評価を得られず、閣僚たちのくだらない話題ばかりがワイドショー的に
なって政治課題の肝心の憲法、外交、安全保障といった重要な事柄が表面に
出てこなかったのは国政選挙としては最低だ。年金問題は今の内閣に責任が
無いのにあたかも安倍政権に原因があるように仕向けられ、それに釣られて
首相自らが対抗し過ぎたのも大人げないが苦戦した原因の一番は安倍首相の
閣僚人事の拙さにある。どうして全うな政治家を入閣させなかったのか?
安倍晋三個人のニューリーダーの斬新な格好とは裏腹に閣僚はお粗末過ぎる。
与党の中にも優秀な人材が多くいるはずなのに人選を誤った責任は重大だ。
安倍晋三の「美しい国」の政治信条は素晴らしいしこのまま政権の椅子に
座り続けて欲しいのだが、この際、一度辞めて出直してみたらどうだろう。
安倍晋三もまだ52歳の若さ、十二分に再チャレンジの道は広いはずだ。
伊藤博文桂太郎吉田茂など尊敬と畏怖の気分を持った名宰相は失脚と
再生を繰り返し自らの信念を貫き通した。煩い舅共を束ねるにも甘かった。
大臣の失態に庇って罷免も出来ない、そんな生ぬるいのではリーダーとして
資格に欠ける。優しさと非情の区別を身に付けた再生安倍を待っている。