隠居の独り言(411)

長野新幹線に乗って関東地方を抜け信州に入ると軽井沢辺りの佐久平があり
塩田平から長野の善光寺平辺りが北信濃の平野で農産物の産地でもある一方
戦国武将達の合戦の場所でもあった。越後の長尾景虎Gackt:ガクト)と
甲斐の武田晴信市川亀治郎)が戦った川中島は、その善光寺平の一部だが
両軍ともにここが戦いの最適地として選んだのだろう。けれど地図を見ると
甲府からは約120キロ、春日山からは約60キロの平地だが位置からすれば
武田方は遠征軍で長尾方は地元の近くで戦う有利な場所であったに違いない。
武田晴信は甲斐の小国から信濃地方を草刈場のように侵食して遂に越後の雄、
長尾の領地近くにまで達したので直接対決するのは避けられない。一方の
長尾景虎毘沙門天を崇拝し、新たに領土を拡張するための戦いはしないと
誓った当時では稀有な精神主義者だったので、徒に領土を拡大して領民達や
婦女子まで殺傷する武田軍を許せなかった。NHK大河ドラマ風林火山」は
山本勘助内野聖陽)を中心とした調略が功を奏し北信濃の塩田平を領有した
村上義清(永島敏行)を追いつめるが彼は妻の玉ノ井(中島ひろ子)とともに
越後の長尾影虎を頼って落ち延びる。敗者は哀れなもので落ちていく道のりで
妻の玉ノ井は待ち伏せをしていた武田の落ち武者狩りに出会い自害して果てる。
そして「義」の長尾景虎か、「実」の武田晴信か、四度に亘る戦国時代最大の
死闘が繰り広げられるがドラマはクライマックスへと進んでいく。