隠居の独り言(412)

首相の安倍晋三福田康夫に変わっても厚生労働相舛添要一が変わらなくても
社会保険庁の犯した年金不信問題は変わらない。解決には何十年と掛かるだろう。
そもそも年金が共済、厚生、国民と幾通りもあるのは生活の権利を平等に享受が
出来ると謳われた憲法違反もいいところだ。受け取る金額は大きく違い一ヶ月で
国民約6万円、厚生約20万円、共済約30万円と同じ日本人として若い時分から
一生懸命働いて老後になったら差別を付けるのか、その仕組みが大いに疑問だ。
国民年金は基礎部分だけでプラスアルファーは無し。厚生年金は基礎+会社側と
自己負担で制度が違うが会社負担は経費に認められるので税金負担と同じ理屈だ。
共済年金は厚生+公務員共済が付いて金額が膨らんでいく。しかも国民年金者は
健康保険と共に懐に手にした収入から払わねばならず、給料から天引きをされる
サラリーマンとは年金や保険対する思いが全然違う事が実感させられる。実際に
会社を辞めた人が自分で年金と保険を納める面倒さとお金の実感は分かるだろう。
年金不信問題だって現在受け取っている共済、厚生(一部違う)年金受給者には
実感が無いだろうが国民年金受給者は25年以上払い続け、しかも不足未払いや
昭和30-40年代の記録漏れなどがあると証拠不十分で却下されて年金が貰えない。
労働者のうち現在はサラリーマンの数が約7割だが30-40年代の頃は約4割弱で
現在の年金受給者の大半は国民年金のつましい生活を強いられているし小規模の
商店や大工、職人などの技術者、個人営業等、親の仕事を継ぐ若者の少ないのも
年金、保険制度に大いに関係がある。個人で仕事をしている人に光を当てるのは
せめて厚生年金に相当するシステムを作る必要があるのではないか。政治課題の
格差の問題は産業別、地域別、雇用別など多々あるが弱者救済のためにも年金の
一元化は避けて通れない重要課題で良い知恵を振り絞って欲しいものだ。社保庁
年金問題が表面化してから訪れる人の接客も良くなったが以前は態度もすこぶる
横柄で行く毎に不愉快な思いをした事は今も忘れない。年金横領事件は論外だが
グリーンピア等の建設やそれを悪利用していた社保庁役人の無駄遣いは幹部から
下部に至るまで体質そのものが腐りきっていた。年金の問題は国民全体のもので
与野党の間に党利党略の議論よりも一緒になって取り組んで欲しい。我が家でも
払ったはずの年金の全てが明らかになっていない。