隠居の独り言(421)

メタボリック症候群の診断基準が変更されたらしい。今までは男性85㎝以上で
女性は90㎝以上がメタボの条件で新基準では男性90㎝以上、女性80㎝以上と
なったが、解せないのは何故前の基準は女性が太く今度は男性が太いのだろう。
そういえば町を歩いていても中高年の男性諸氏のお腹が出た人が多く見かけるし
中高年の女性のスリム化は歳を召しても忘れないお洒落心のせいなのだろう。
メタボに関心が高いのは健康で長生きをしたい自然な気持ちの表れなのだろうが
検査や数値ばかりに気をとられているのもつまらない。毎食事のカロリー計算や
万歩計の習慣、サプリメント服用、過度の通院、それは健康のためだけの生活で
せっかくの楽しい人生が、それに凝り過ぎて精神的にも台無しになってしまう。
たとえば粗食長寿説。肉や油がいけない、甘いものがいけない、満腹がいけない、
お酒や煙草がいけない、つまり長寿にとって美味しいものがいけないという説は、
説得力がありそうだが、日本の長寿県の沖縄に住む人は豚肉を常食としているし
世界の長寿国のコーカサスエクアドルの人たちも肉食のほかに煙草を嗜む人も
多いという。誰もがメタボとか健康とかいくら気にして一所懸命に守っていても
病原体を拾えば病気になるし不慮の怪我や短命の人はその人生の運命に抗し難い。
極端な肥満はともかく、多少のメタボは幸せの象徴みたいなものかもしれない。
痩せているから長生きをするとは限らないし運動したからとて健康とは限らない。
要するに健康に関する事はあまり気にしない事だと思う。食べたいものを食べ、
運動も自然に体が要求してくるだろう。人生を健康の自制のために費やすなんて
勿体ない。自分流に楽しく生きていれば健康は付いてくる。