隠居の独り言(443)

今年の夏に埼玉県行田市の駅前近くにある忍(おし)城を訪れた事があったが
あの小さく美しい城は関東平野の中央辺りにあるために、その位置の戦略的な
価値は高く、戦国時代になると巡るましく支配者が変わり戦国の縮図のような
様相を呈していた。戦国の初期の頃に土地の豪族成田氏によって築城されたが
周辺の大名達が狙ったのは必然で史実を見ても上杉、北條、豊臣に関東平野
縄張り争いの中心地点であったに違いない。NHK大河ドラマ風林火山」は
遂に長尾景虎Gackt:ガクト)は関東管領上杉憲政市川左團次)を奉じて
関東に出陣した。一帯を治める北条氏康(松井誠)を討つためだが、今まで北條に
屈服していた北関東の豪族達が長尾景虎に組し10万近くの大軍となっていく。
その戦陣でも景虎忍城を治める成田長泰(利重剛)の妻・伊勢(井川遥)に
心を奪われて人質として同行するよう命じる場面もあるが全軍が北條の本拠地
小田原を攻撃しても難攻不落と云われた城は景虎といえども攻略出来なかった。
同じ頃、一方の武田では由布姫(柴本幸)の忘れ形見の四郎(池松壮亮)が元服
諏訪勝頼を名乗る事となり山本勘助内野聖陽)は感激とともに来たる長尾勢との
決戦に向け身を引き締めていた。勝頼は後に武田信玄市川亀治郎)の嫡子義信が
失脚したために武田家を継ぐことになるが勘助が川中島の合戦で討ち死にした後で
彼が生きていたら何と思うことだろう。