隠居の独り言(449)

守屋武昌前防衛事務次官の贈収賄で逮捕された事件は図らずも防衛省の武器購入の
実体を知らされた国民だが、国を守る兵器類を防衛省の役人だけに任せていいのか
とても疑問に感じるのは自分だけではないと思う。総合的には陸海空のバランスの
問題や兵器の質、量、予算等々は防衛省一省の問題ではなく国民の立場からいえば
政治がもっと関与する事で防衛省の現場のみに任せればシビリアンコントロール
面から言っても好ましくない。国防に関しては国の重要課題でもあるので有識者
募って検討するのも良し、国民に分かりやすく説明出来る装備でありたいと思う。
まして外国からの輸入の場合に商社が絡んでいるが、その分、価格が上がるだけで
税金の無駄だし、どうして政府が直接に購入出来ないのか。そこに今回の贈収賄
生まれる土壌があるように思えてくる。守屋武昌の肩を持つ気持はさらさらないが
防衛専門商社「山田洋行」から持ち上げられ接待漬けの泥沼に嵌まり料亭招待から
金銭授受、ゴルフ三昧など、彼の鶴の一声で装備の調達がどうにでもなるとなれば
誰だって甘い汁を吸いたくなるのは必須の欲望で制度が変わらない限りこのような
事件は後を絶たない。事務次官にまで出世した守屋武昌も結局は弱い人間の一人で
誰でも陥る欲望のサガとしか言いようがないし、氷山の一角に過ぎないと思うのは
かつて官庁関係からの仕事をしてきた諸経験からいっても頷ける事が多すぎる。
防衛専門商社とはいったい何だろう。商社を通じないと外国の物品を買えないとは
日本の役人はその程度のものなのか。防衛省に限らず国民の血税を使う役人の意識の
無さにはどうすればいいのだろう。