隠居の独り言(464)

年末になると生きてきた道を辿る。同じ「うきよ」でも苦労の若い日々は「憂き世」
今では子供や孫達にも囲まれて、お陰で充実した「浮き世」の日々を過ごしている。
私も歳を取った。あと数日で75歳の新年を迎える。織田信長は本能寺で人生50年と
謡ったがそれより5割も長生きをしている。信長にも体験できない歳月をいただいた。
小さな帽子会社の経営、幼い孫達の世話、休日の小旅行、歌・ギターの趣味、
町のボランティア、ブログ日記等々、毎日の忙しさは老後の褒美だと思っている。
仕事では繊維に関連ある会社そのものが時代の曲がり角に来ているのは仕方ないが
まとまった数量の多い注文は加工賃の安い中国に持っていかれ、半面に手の込んだ
細工が必要な製品は日本で作るようになり個性的な作品などで少数生産につながる。
利益率は上がってもそれ以上の苦労は今までの経験だけでは通用しないものが多い。
世の中はそんなに甘いものではないとこの歳になって体験する事多々なのが現実だ。
でも商売は面白いし大勢の人の出会いが自分を教えてくれる。だから辞められない。
孫の世話は11歳を頭に満1歳までの6人だが、子供たちが仕事を抱えているので
ジジババの出番は多く協力してあげないと面倒を見切れない。世間の治安悪化には
学校、幼稚園、塾、習い事、公園等の付き添いや諸々の雑用はジジババの役目だが
孫の可愛さはまた格別なもので普段の苦労も帳消しにしてくれるのも幸せの一つだ。
休日には小さな旅行を家族で楽しんでいる。天気予報を見て、その日の思いつきで
出来るだけ今までに行っていない所を旅するのが我が家のモットーだが、行き先の
良し悪しは運任せで、感動を覚えるところもあるし、ガッカリするところもある。
でも旅の面白さは新しいものを発見する事、それが自分流と一人合点をしている。
ギターの練習は一日約30分しか時間が取れないが毎日欠かさず心を集中させる事、
持続が力なりを指標にして練習は休まない。発声練習はもっぱら通勤途中の車中で
思いっきり声を張り上げるのが体に良いようだ。最もランダムなのはブログ綴りで
静かな夜の気の向いた時は何枚も書いて溜めているが忙しい時や気の向かない日は
PCの席には座らないし休日は無縁としている。それにしても健康あってのこと、
バランスある食事、適度な運動、睡眠、規則正しい生活、一年一回の人間ドック等
いつまで今の生活が続けられるか、みなさまのお陰、後は神様の思し召し次第だが
今年も恙なく過ごせた事は感謝に堪えない。 みなさま今年もお世話になりました。
「百居ても同じ浮世に同じ花、月はまんまる雪は白たえ」  油煙斉貞柳


ps年末年始はしばらくPCから離れます。みなさま、良いお年を・・m(__)m