隠居の独り言(467)

NHK大河ドラマは毎年の楽しみだが昨年の「風林火山」の戦国時代から
天下泰平の江戸時代を経て、幕末の動乱期に生きた薩摩の一女性の人生を
描いた天璋院篤姫」の物語が始まった。後世の人が歴史を紐解くときは
戦乱期の例えば戦国や幕末が面白いが、その当時に生きた人達にとっては
理不尽な事が多く生活も破壊され命の保証もままならなかったに違いない。
江戸時代の約250年間は外国との交渉を絶って日本独特の文化文明を生み
華やかな元禄時代から天明の大飢饉など様々な進歩や停滞はあったけれど
天災地変などの不可避な異変を除けば平穏無事な時代であったと思う。
今年のドラマの主役は宮崎あおいだが画像で見た感じは清楚で、あどけなく
はたして天璋院篤姫の生涯を描けるのか少し不安のイメージが無いでもない。
もっとも旧年の大河の功名が辻・千代の仲間由紀恵風林火山山本勘助
内野聖陽も最初は自分の思う歴史観と違っていたけれどドラマを追うごとに
役が嵌まっていったのもスタッフの努力と俳優の演技力が優れていたからで
新しい人物像の認識を貰った思いがしたが、今年のドラマは歴史に登場する
数々の英傑が多いだけに期待と不安が入り混じる。ストーリーは島津斉彬
高橋英樹)が治める薩摩の背景からスタートしたが幕末から明治にかけての
日本史の中でも最も波乱万丈に富み、人々が必死に生きた時代であっただけに
今年の大河は目が離せない。現代の緊張が無くなった私たち日本人にとって、
一世紀以上前の先輩たちは、こうして今の日本を築き上げたと、特に若い人が
このドラマを見て自信を取り戻して欲しい。