隠居の独り言(473)

昨年12月に15歳の生徒を対象に実施された世界の学習到達調査の結果表は
日本の生徒の読解力は15位、数学的応用力が6位、科学的応用力が10位で
しかも科学に対する意識調査では科学が最重要と答えた生徒は57カ国のうち
最下位だった。20年位前には、全てが1位だった科学立国日本が泣いている。
戦後の廃墟の中からの高度成長は戦前に培われた高度教育の賜物だというのを
みんなは忘れている。教育は神聖なものだという事は修身の時間で教えられ、
勉学の時間中は私語も禁じられたし違反をすれば廊下に立たされるのは必至だ。
先生と生徒の間柄も子弟の感じがしたし今もあの頃の先生を恩師と崇めている。
戦後になってマルクス主義が蔓延する時代の中で教育者が自らを労働者として
組合を組織した頃から教育の神聖さが失われて異質な学校現場になっていく。
しかも文部科学省日教組の言いなりで思想の偏向や教師(労働者)の立場を
優先して生徒を鍛えなければならないはずの現場が教師の「ゆとり」のために
土曜休日、教育時間の短縮、宿題の放棄、学級崩壊など惨憺たるものになって
学力の低下を招き子供たちの将来を憂える。最近になってやっと文部科学省
ゆとり教育」の見直しをしているが原因は教育そのものの神聖さが失われて
しまった事、すくなくとも公立の学校教育だけでは普通の大学も受からない。
進学塾が増えたのは自分の子供を人気のある私立中高一貫校に入れたいためで
有名進学私立なら中高の6年間で大学受験対策もきちんとするしイジメ対応も
きちんとしている。お金は掛かるが子供の将来を考えれば投資もやむをえない。
それでも大半の子供たちは公立の中高校へ通っている。学習塾に投資する人、
出来ない人との差は広がるばかりで教育の二極化はますます進んでいくだろう。
子供を塾へ通わせなければならないのは学校の先生を信用していないに等しい。
政治とは誰でも挑戦出来る環境を提供する事であり、空しさを覚える昨今だ。
明日からの大学入試センター試験で受験シーズンが始まる。受験生諸君、頑張れ!!