隠居の独り言(475)

通常国会で演説した大田弘子経財担当相は「もはや日本は経済の一流国と呼ばれる
状況ではなくなった」と述べ、日本の国内総生産OECD加盟国中18位に低迷、
1人当たりのGDPも第一位のルクセンブルグの半分以下の水準なのだそうだ。
政治や経済の今の閉塞感は経財担当相に言われるまでもなく、つくづくと感じる。
日本の得意だったモノ作りはその殆どが労賃の安い中国などに流れて蓄えられた
技術力も彼の手に渡り、片や日本の匠の手は空白期間をおくと二度と蘇えらない。
景気回復は産業別の格差が大きく、原油高による物価動向が家計を圧迫して回復の
実感が持てない事、人口減少による全体の労働賃金が減って、健保や年金の制度が
あと数年で破綻してしまう事、国家財政の健全化のためには税体制、特に消費税の
UPが避けられない事、政治家達も分かっているのに誰も言いだしっぺにならない。
国の借金は時間が経てば経つほど雪だるまが転げ落ちるように増え続けているのに、
みんな涼しい顔をしているのは滑稽とした言いようがないが、それのツケはやがて
国民への増税や年金その他のサービス低下に繋がっていく。国家予算は80兆円強、
税収は40兆円で、家庭で例えれば40万円の収入で80万円の生活をしている事で
そのうち30万円は借入金返済で、実質は50万円のセレブな生活している事になる。
これはいつまで保つわけがない。民主党はこのたびは揮発油暫定税の廃止を訴えで
減税の美味しい話だが地方の道路の費用や借金まで言及しないのは矛盾が多過ぎる。
「ねじれ国会」で福田首相はいつも及び腰で話し合いを言うが、相手の小沢一郎
それを拒否しているのだから、堂々と自民党の主張を述べて対立するべきだと思う。
国家が相当に病んでいるのに自民党民主党も自分たちの選挙対策ばかりで根本の
話が無いのはどうしてなのだろう。マスメデイアも消費税論議や国家財政の話題を
避けているのは解せないし、日本が徐々に沈んでいく気がしてならない。