隠居の独り言(476)

考えてみれば政界の焦点だった「テロ特措法」の顛末は何だったのだろう。
反対のリーダー小沢一郎は棄権し、福田首相もそんなに嬉しそうではない。
テロの阻止というよりも、給油活動中止という事態が先進諸国の仲間から
外れる事の方に問題視されていたような気がする。でもそれはそれでいい。
そもそも今回のテロとは何かを考えてみると欧米諸国とイスラム過激派の
争いであり宗教闘争の臭いのする一連の出来事だが日本のような無宗教
無信心な人の住む国ではありないもので一神教の持つ想像以上の対立心の
表れではないか、無論テロリスト達は手段を選ばないし、どの国の人間を
狙っているか分からないが宗教的な対立には縁が薄い日本を標的にしても
得るところは少なく、テロへの過剰な対策も何となく空しい気がしてくる。
宗教とは最初に生まれた場所の風土や、そこに住み慣れた人の生活基盤が
色濃く反映されているもので中近東の厳しい乾燥地帯で生まれた一神教
ユダヤ→キリスト→イスラムとそれぞれの派に分かれていっても絶対的な
力のある創造主は単一のはずで元々は兄弟なのに、何故いがみあうのか。
同じキリスト教でも、カソリックプロテスタントとの長い紛争の歴史や
イスラム教でも今のイラクを麻痺させているシーア派スンニ派の争いも
1000年以上も続いている。宗教を国教としている国は多く、世界の国旗を
見ても十字の模様のデザイン柄は、その国の人たちの心根を物語っている。
「君子危うきに近寄らず」宗教絡みの戦争には日本は遠くから見るがいい。