隠居の独り言(481)

中学受験の本番まであと二日、受験は親子の二人三脚とよく言われるが受験生は
もとより家族にとってもプレッシャーは相当なもので、特に本人はストレスから
体調を崩してしまった事も、投げやりになってしまった事も、思い出せば枚挙に
暇が無い。小学校高学年から塾に通い始めてからの家族の生活のリズムは当人に
合わせて気持ちを一緒にしないと勉強に集中させる事は出来ない。大家族の中で
誰かの何気ない軽率な発言に傷付いた事もあったしヤル気を無くした事もあった。
通っていた某有名塾は、試験の成績の結果ごとにクラス替えや座席替えがあって
その都度一喜一憂があり知らず内に本人に競争意識を植え付けさせるシステムだ。
私立校の多くは大学受験のために中高一貫を取り上げているが実績のいい学校は
既に中学受験から超難関校となって公立の一般授業の範囲では、とても入れない。
中には12月頃から小学校を休んで勉強に勤しむ子供もいると聞くと、ますます
受験生にとっての精神的な重荷は極限状態になっていた。励ましの言葉のはずが
彼にプレッシャーを与えたし、努力を褒めたつもりが彼の反発を買って逆効果の
言いようがない日々が続いていた。でも本人は今まで良く耐えて頑張ったと思う。
長い苦労の旅もここまで来た。ここまで来れば本人の気持ちも落ち着いてきたし
習ってきた普段の実績を出せばそれなりの成果は確実だ。中学入試という試練は
人生で二度と味わえない経験であるし、それならその経験を君の輝かしい未来に
生かしてほしい。