隠居の独り言(502)

D氏「日本は現在、世界で唯一の主権を持たない国です。文字通り裸国家なのです。
防衛についても、一朝、事が起きても主役のアメリカが出てくるまでの脇役だけで
ただひたすらに待って耐え抜くだけの防衛体制です。近隣相手から攻撃を受けても
反撃する体制も力量も一切ありません。これは「日本国憲法第九条」のお蔭です。
直接的な攻撃でなくても諜報機関もありませんし日本全土がスパイ天国なのです。
防衛費にはGNPの約1%という目安があっても半分が人件費です。国家公務員の
扱いですから世界一高額支給の兵士達です。ただし高額と強さとは一致しません。
防衛費の4分の1が維持管理費で残りの4分の1が装備費ですが日本は産業振興の
一環と考えていますから自衛隊の兵器の価格がべらぼうに高い。米軍に比較しても
数倍高いのですが、その辺りを国会の予算審議にならないのもおかしいと思います」
E氏「米国は世界政治のイニシアティブは持っているが何の戦略も持っていない。
米国の言っている政策を良く聞くと日本向けと欧州向けとでは相当に違っています。
表には出さないにせよ白人国家と有色人国家では意識の差はあるでしょうが、これに
対して日本は戦略もイニシアティブも皆無ですし全てアメリカの言いなりなのです」
F氏「いわゆるサブプライム問題でアメリカのドルが大きく値下がりをしている時に
日本はアメリカの国債を90兆円以上持っているのですがこれを売る事が出来ません。
日本は米国国債という単なる紙切れを世界一多く国民の税金で買わされているのです。
もしもこれを現金化しようとすればアメリカに恫喝され一発で日米安保もご破算です」
G氏「イラクと言う国は元来ありません。イギリスの植民地の名残です。北にクルド人
中部に少数派のスンニ派イスラム、南に多数派シーア派イスラムの部族国家があります。
フセインスンニ派バース党ですから少数派が権力を握れば、無理するのが当然です。
バース党フセインの強権政治は自然の成り行きでした。フセイン亡き後も大混乱が続き
アメリカがこれに手を焼いたのも当然ですが米英の本当の狙いはイスラエルの強化です。
アラブ諸国の中で互いに反目させるのは米英にとって中近東の戦略的な利益なのです。
それは東南アジアも同じ事で日本が中、韓、北、露の諸国と仲良くするのはアメリカの
戦略上は好ましいものではないのです。北方領土竹島尖閣に介入はしてくれません。
今年は米大統領選挙ですが、もし民主党が政権を取れば外交は中国寄りで日本の立場が
弱くなります。でもアメリカにとっては対岸の火事が大きいほど国益に適う事なのです」
紙上有識者先生達には今後の日本の行方も近々に聞きたい。