隠居の独り言(516)

北京五輪聖火リレーはイギリスやフランスなどのヨーロッパの移民の多い国では
特に中国のチベット人権弾圧による抗議が凄まじい。中国にとって聖火リレーを機に
共産中国内部のおぞましい人権抑圧の実体が世界に広がった皮肉な結果になったが、
この騒動を機に別の観点から見て民族間の紛争がいかに難しいかを考えさせられる。
日本は一民族国家で遠い事件のように思うが、少子化問題を抱えて将来の人口減で
経済は下降だが、ここで国家像の一つに取り上げている他民族移入の問題を考えたい。
フランス・イギリス・ドイツなど欧州先進国は何処でも移民問題に手を焼いている。
自国の人口減少傾向を補うために移民政策を導入してきたが経済状況は思うに任せず
どちらかと言えば移民の多くが不要になってきた。今回の騒動を起こしたのも移民の
2,3世で中国の人権弾圧の名目に借りて、経済社会から疎外されている自分たちの
現状に対する彼等の大きな不満の爆発なのかもしれない。元々フランスやイギリスは
アフリカ大陸や中近東をはじめとして大きな植民地を持っていたので移民には寛大な
国家だが内情は複雑であり人種差別は到るところで行われてきた。教育、就職、進学、
住居、失業、貧困など目に見える問題以外にも宗教の違いは歴然として存在している。
多いのはイスラム教徒でイギリス160万人、フランス400万人、ドイツ350万人など
欧州全体では2000万人以上にも達している。いまやEUの統合と大量加盟によって
国家存立の大きなテーマになっている程だ。日本の少子化問題は政策で下手をすると
明日のヨーロッパで国家存亡の危機に面するかもしれない。外国人に選挙権を与える、
安い労働力目的で移民を受け入れる、等々の安易な考えや政策は取り返しがつかない。
未来永劫に日本は純粋な日本人の国でありたいと、数々の報道を見てつくづくと思う。