隠居の独り言(549)

先週、東京杉並区の小学校で屋上の天窓に登った6年生の男の子が1階まで
転落して死亡するという事件があった。男の子は女子教諭が目を離した隙に
天窓に乗りドーム型のプラスティックが割れ更に下のガラス板を突き破って
転落したというが高さは12メートル以上で一昨年に目視で点検したが異常が
無かったという。校長の談は「二度とこのような事が・・」と相変わらずの
不祥事の謝罪だが、危険をある程度察知している女性教諭は何を見ていたか。
あってはならない事になった以上は校長や教諭は責任を取って辞職するのが
筋ではないか。それがせめてもの男の子と両親への償いというものだろう。
天窓は言うまでもなく明り取りで小学校の内部の部屋が暗いのならともかく
単なるデザインの関係で付けたとしか思えない。そのためか屋上での遊びは
禁止とかだが何かおかしいとしか考えられないし子供の足跡は全部の天窓に
付いていたというから救いようのない教師の怠慢だ。教育長は「児童だけでは
近付けない場所なので上に乗る事を想定していなかった」と・・冗談じゃない!
この10年間で同じような転落事故が全国で4回も起きているのに学校関係者は
なぜ前例を教訓としないのか。都会の小学校は、どこも校庭が狭く運動や遊びを
屋上などで補ってあげるのが普通の考えだと思うが、校舎の設計の段階で生徒の
安全をまず考えないのか。屋上は見晴らしも良く、太陽が直接当たり風も通って
気持ちのいい場所だがどうして子供たちのために充分に活用してあげないのか。
そもそも小学校の頃の子供は悪戯盛りで危険とは背中合わせの成長期なのを
教師だって知っているはずなのに何故防げなかったのか、とても残念に思う。
我が家にも小学校に通う孫が3人いて、みんな悪戯好きなので事件は他人事で
済まされない。石原慎太郎都知事に言いたいのはオリンピックも大事だろうが
足元の教育の現場を一度じっくりと調べてもらいたい。教員の質、勉強の時間、
道徳心、子供の安全など、都知事もお孫さんが小学校に通っていられると思う。
子供にとって学校が一番の安全の場所だと思っていたのに、それが崩れていく。