隠居の独り言(551)

愈々7日から洞爺湖サミットだが、主題は地球環境や諸々の問題が山積して
福田首相も忙しいけれど世界の首脳が集まる日本主導の席で日露間の懸案の
北方領土を議題にする絶好のチャンスなのに、何故取り上げないのか理由が
分からない。福田首相の考えでは領土問題は二国間の懸案で他国には迷惑を
掛けたくないとのことらしいが、その辺りの国益を何と思っているのか。
日本の弱腰外交は今に始まった事ではないが竹島尖閣諸島などの中韓との
摩擦を抱えている今こそ領土という国の根幹をきちんと主張するべきだ。
それにしても別途に行なわれる日露首脳会談で福田首相はロシアの新大統領
メドヴェージェフ氏に、この際北方領土問題を詳しく説明してもらいたい。
周知のように北方領土は日本がポツダム宣言を受け入れて降伏した昭和20年
8月15日から二週間も過ぎた8月29日から9月5日にかけて奪ったもので
その狡さはロシアが国際法上に規定された領土とする根拠はどこにもない。
その違法な行為とポツダム宣言9項に違反してシベリアに日本兵60万人を
強制抑留して6万人を死亡させたことと併せて領土返還と抑留者への謝罪と
賠償をきちんと要求しなくてはならない。まして最近には北方領土海上
国境線を越えたとかの理由で日本の漁船が銃撃されて35歳の漁師が殺害され
あげくに船長が48日間も抑留されて船は没収され罰金214万円を課せられ
船長は余裕を見込んで250万円の用意した罰金をロシア側はお釣りが無いと
全額徴収した。そのうえ船を返還しないで国営企業に売ってしまったという。
ロシアという国際法を無視した国がサミットメンバーとして資格があるのか、
日本がここまでコケにされて黙っているのは実に情けない限りだが、事件が
日本以外だったら、このまま黙って引き下がる能天気な国は、いないはずだ。
サミットの福田首相のお手並み拝見も期待薄で、また国民は涙を飲むだろう。
北方領土はますます遠く、サミットをわざわざ北海道で開催されるひとつの
意図は領土問題を絡ませるものでなかったのか。各国の首脳達に島の現状を
見てもらうための折角のいいチャンスなのに方策は無かったのか。ロシアが
加入していなかった7カ国サミットの時に北方領土返還を決議した事がある。
日本はロシアに歴史的にも煮え湯を飲まされ続けているが、続いて書きたい。