隠居の独り言(578)

またロシアがグルジアという小さい国を苛めている。どんな理由があろうとも
主権国家の奥深く侵入して無辜の市民までも殺傷した侵略行為は許されない。
ロシアという国は歴史的にも他国の土地を一方的に侵略して世界一広い領土を
持って超大国にのし上がった悪魔のような国だ。グルジアは中東の遠い国だが
日本にとって今度の事件は他人事ではない。ロシアはグルジアの内部の争いに
乗じて自治領を勝手に承認して独立させ、やがてロシア領に組み込もうとする
見え見えの謀略は昔の植民地時代の手法と同じで世界はそれを認めないだろう。
ロシアの狡さは第二次大戦末期のヤルタ会談でもルーズベルトスターリン
見事に騙されてロシアに有利な欧州の分割と、日本からは樺太・千島の譲渡を
認めさせ、おまけに日本固有の北方領土まで強奪占拠して現在に至っている。
その後に日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国境から怒涛の如くソ連軍が
侵入し一般の在留邦人に暴虐を尽くし、日本軍56万人を極寒のシベリアへ
拉致して6年に亘り強制労働させ6万人を死亡させた。そこには国際的条約の
履行も人道的な行為のカケラも無い事は実に腹立たしい。そして未だに犯した
条約違反の謝罪も賠償も領土返還も無いのはロシア人としての誇りも無いのか。
プーチン、今度の大統領(名前も覚える気がしない)の何と冷徹な顔付きよ!
神も仏も無いと思うのは、そのロシアが石油始め天然資源で潤っていることで
経済力・軍事力でますます強く偉そうに世界を牛耳るのは頭が痛いが、日本の
隣国であるのも気持ちに重くのしかかる。おそらく北方領土は帰らないだろう。
そう腹を決めて取り掛からないと人のいい日本はロシアの腹黒の思わせぶりに
下手に援助をしたりするのもいい加減止めて税金の無駄をしないことだと思う。
北方領土の漁船への狙撃事件などロシアの卑劣な行動は今も続くが、ふたたび
事件を起こさせまいとするには日本がもっと強くなる事、それは憲法の問題も
含めて日本人の生命と財産を守る自主自衛の力を内外に示すのが緊急の課題で
与野党がつまらぬ事で揉めている場合ではない。世界が二つに割れて冷戦が
始まり確実にキナ臭くなっている現実を政治家はきちんと見極めるべきだ。