隠居の独り言(579)

最近の報道で気になる事を二つほど、大分の教員採用不正事件は氷山の一角だが、
何故、不正をしてまで自らの子弟を教員にさせたがるのか?答えは一つしかない。
それは公立小中学校の教員が、高給の待遇、雇用の安定性、勤務の定型性などの
あらゆる面の恵まれた職業で、当事者自身が充分に認識しているとしか言えない。
不正の土壌はその辺りから生まれ、自らの上手い汁を関係者だけに吸わせようと
利権を閉鎖的にしている。「ゆとり教育」とやらの学習の怠慢としか言えないのは
顕著なもので、数十年前までは世界に冠たる日本の教育水準が、確実に劣化して
今では先進諸国の最低ラインにまで落ち込んでいる現状は文科省にも責任大だ。
ちなみに公教育の頂点にいる官僚達の子弟は公立小中学に入れず国立大学付属や
有名私立に受けさせるのが大多数なのは自らの失敗を認めているようなものだ。
解決策はただ一つ、過保護な教員免許を廃止する事、それは塾の先生など高度な
専門知識と熱意を持った人物はゴマンといる。これらの教員志望の中から地域の
学校が適材を選べばいいのであって教員自身も競争社会を体験するべきと思う。
教育は将来の日本の姿でもあるので、それを汚した幹部どもの罪は大きい。


〜ままになるなら横綱晴らせよ、アードスコイドスコイ
〜アー、廻しの模様は隅田川、百本杭には都鳥、ホイ、
〜しののめ烏が二羽三羽、かすかに見えるは富士の山、ホイ、
〜ストトコトンと打ち出す太鼓は、向こう両国国技館・・・
江戸時代のいい男といえば鳶の旦那と相撲の力士だが、何百年も伝わる日本古来の
伝統の大相撲に前代未聞の傷が付けられた。ロシア人力士の若ノ鵬大麻を所持で
逮捕されたのを受けて、抜き打ちの尿検査をしたら同じロシア人兄弟力士の露鵬
白露山から大麻系の薬物が検出されたという。最近の相撲界で横綱朝青龍をめぐる
一連の騒動といい、時津風部屋傷害致死といい、大相撲そのものの存在が危ない。
相撲は言うまでもなく我が国の国技だ。日本人特有の心技体あっての相撲であって
力強さとともに品格が問われるスポーツであるのは今更でない。この不祥事を機に
外国人力士の採用云々を含めて相撲協会は一から出直さないと伝統が滅びてしまう。
相撲甚句のなかにはモンゴルもロシアも謡っていない。