隠居の独り言(585)

歴史は人を作るといわれるが、薩摩藩がイギリス人殺傷の生麦事件を起こし
難題があった中でも朝廷側は無位無官でありながら幕政改革に功績を挙げた
久光(山口祐一郎)に従四位中将の官位を授けるとの内示があり有力諸侯や
公卿への交渉術に卓越した能力を見せた実績で小松帯刀瑛太)は27歳で
藩の家老に抜擢される。家老就任とともに数々の重要な任務を任せられるが
なかでも優れたのは薩英戦争のときでイギリス東洋艦隊が錦江湾を襲った時、
鹿児島城下は砲撃で火の海になったが薩摩側も砲撃や切込みでイギリス軍は
上陸することも出来ず多大の死傷者を出して退去、あいまいな終戦をしたが
たった一つの藩が世界のイギリスを相手に互角に戦ったことは国内的には
薩摩の実力を広く認めるようになり、薩摩は実戦をした事により外国の武器、
科学技術の高さを身をもって知り国内で叫ばれている攘夷論がいかに単純で
無謀なものかを考えさせられる。そこで帯刀は「昨日の敵は今日の友」とし
生麦事件の遺族扶助料を正式にイギリスに払って講和条約を結び、その後は
イギリスと親交を結び最新科学技術を導入したり留学生を送ったりと優れた
外交手腕を見せる。その時の帯刀の業績は明治・大正の日英同盟の源であり
その後の日本の繁栄には計り知れないものになっているのは周知の通りだ。
NHK大河ドラマ篤姫」は、家茂(松田翔太)に上洛と攘夷実行を求めて
京の勅使がやって来るが家茂は天璋院宮崎あおい)と相談し自ら上洛して
攘夷が困難であることを伝えようと心に決める。しかし和宮堀北真希)は
家茂の身を案じ上洛に反対する。一方、勝麟太郎北大路欣也)のもとには
土佐の坂本龍馬玉木宏)がやって来る。勝を斬るために来た龍馬だったが、
勝の開明的な考えに感銘を受け弟子になることを志願する場面は見ものだ。