隠居の独り言(588)

麻生太郎率いる新内閣・日本丸が船出をした。乗組員は船長合わせて18人だが
船出早々に慣例では新官房長官が内閣閣僚名簿を読み上げていたのに船長自らが
解説付きで名前を読み上げたのは内閣の真のスポークスマンはオレ自身だという
自負心で曽祖父の吉田茂元首相のワンマンだったDNAが、そうさせるのだろう。
自信満々の顔付きや素振りも同じ総理一家育ちの安倍晋三福田康夫とは違って
迫力があっていい。しかし船長始め顔ぶれが、何か鮮度の落ちた感じがするのは
親の七光りの世襲議員が多いからだ。その閣僚数は18人中11人も入っている。
吉田・鳩山・中曽根・小渕等の政治家ブランドは平民出身の入る隙を許さない。
世襲が全て悪いわけじゃないが政治家がよく口にする「庶民の目線」に立っての
空々しいセリフは辞めたほうがいい。セレブな家に生まれ何不自由無く暮らした
彼らにスーパーの安売り日を選んで品物を買う庶民の実感は分かるはずがない。
日本の政治家はいつのまにか江戸時代の「家柄」の世襲になってしまったのか。・
それでも前首相の安倍晋三の悲壮感や福田康夫の閉塞感とは違って麻生太郎
国のリーダーの明るい雰囲気はどこか庶民を元気付けてくれる気分だけはする。
ともかく問われているのは国家的危機の打開策だが新内閣に期待するしかない。
「人間は戦争と貧乏と恋を知らなければ人生の味は半分しか分からない」
米国の作家オー・ヘンリーの言葉だが、麻生太郎の政治の味見はこれからだ。