隠居の独り言(597)

ロス疑惑三浦和義が事件を起こしたロスアンゼルスで自ら命を絶った。
絶望からか、死して抗議なのか騒動の張本人が事件の真相と二人連れで
闇の中に葬ってしまったのだから全ては水泡に帰してしまった。けれど
多分殆どの人は彼に同情はしないし、話題もこれから消えていくだろう。
司法の事は分らないが事件が外国で起きたなら、その国の法に照らして
裁かれるのが普通と思うが、事件後27年も経ってアメリカが何故訴追の
重い腰を上げたか、日米犯罪人引渡し条約はどうなのか不明な事ばかりだ。
事件も自殺も全て彼の一人芝居で世間を翻弄し欺いた一人の役者が消えた。


三浦は一人芝居だがリーマンから始まった各行の破綻劇は世界中を震わせた。
米国が震源地の株の暴落は東京市場にも影響して、あれよあれよという間に
半値にまで下がって株を保有している個人投資家は売るに売れず、そのまま
奈落に落とされるような気分だが、特に退職金や老後の預金を株に投資した
年寄りの悲鳴が聞こえてきそうで金融安定がいかに大事かを身をもって知る。
昭和初めの世界大恐慌の二の舞だが、米国政府や先進七カ国の金融市場への
介入があっても暴落のツケは大きく元に戻るには相当の日数が掛かりそうだ。
報道ではこの三ヶ月間で日本の金融資産が100兆円以上も目減りしたそうで
個人資産のみならずあらゆる産業が冷え込んで、消費者は買い物を控えるし、
企業は売り上げが減り業績が悪化、賃金が抑えられ家計を圧迫する、その結果
さらに消費が落ち込むという負の連鎖が現実のものになっている。株式情報を
見るのも情けないが長い間で初めての経験だし、不動産価格も昨年あたりから
下落傾向で資産の目減りが辛いところだ。仕事面も不景気で単価や受注内容が
細くも厳しくもなって先行きの見えない霧の中のように将来的な不安感が漂う。
今更方向転換の効かない同業者の多くが廃業や倒産の憂き目にあっているのは
辛いニュースだが、構造的なものの他に救える手立てがあるのかとても心配だ。
不景気は承知でも資産の目減りが一目瞭然に先細りになるのは耐えられない。
貯めるのは容易でないが減るのは坂道を転げ落ちるが如し、今回は肌で感じる。
麻生内閣は追加経済対策の検討に入っているのは当然だが、国会では解散時期を
めぐる駆け引きで与野党はしのぎを削っているが国会議員たる者は今の危機的な
経済の修羅場をどう考えているのか、総選挙どころではないと思うのだが・・