隠居の独り言(639)

大河ドラマ「天地人」が始まりまだ4回なので少し早い気のする話だが
キャスティングの特に男優陣がなかなかいいと思う。中でも大河歴代の
謙信役を演じたかつての石坂浩二、柴田恭兵、Gackt等に比べ阿部寛は
最高のはまり役で、彼の眼力と演技力は「一剣に命を託し、一念無私、
毘沙門天こそ我が軍師」の謙信像がＴＶ映像から滲み出ているようだ。
上杉景勝を演ずる北村一輝も、口数の少なかった寡黙な人物には適役で
景勝を補佐した主役・直江兼続を演ずる妻夫木聡はこれからが勝負だが
彼の天性の豊かな表情が、信・義・仁の兼続を演出してくれるだろう。
兼続の幼年時代の与六を演じた子役の加藤清史郎はとてもよかった。
三国一の美男武将といわれた上杉景虎役の玉山鉄二も二枚目で格好いい。
半面に信長役の吉川晃司、秀吉役の笹野高史はいまひとつか？ドラマは
北条からの上杉の養子である景虎の身の上を不憫に思っていた謙信は
景虎を真に立てるために景勝の妹の華姫（相武紗季）と婚儀を決意する。
兼続は祝いの品を買いに、お船（常盤貴子）と直江津に出かけた帰り道、
雨に降られた若い二人は浜辺の漁師小屋で雨宿りをすることになったが
互いに意識しあって何となく気まずい雰囲気に陥る。天下は武田信玄が
亡くなり、全国統一を目論む織田信長にとっては当面の強敵は謙信だが、
その意中をはぐらかすために絵師に描かせた洛中洛外図が送られてくる。
兼続は、屏風は信長の謙信に対する挑戦状と考え、真意を確かめるため
信長の使者の初音（長澤まさみ）とともに信長のいる岐阜城へと旅立つ。