隠居の独り言(663)

大河ドラマ天地人」は前年の「篤姫」に続いて高視聴率が続いているそうだ。
一昨年の内野聖陽演じる「風林火山」があまり芳しくなかった理由の一つは
歴史物の視聴者は大抵が男性で合戦場面の男臭さが女性に敬遠されたからで
宮崎あおいなど華やかな女性が演ずる「篤姫」の視聴率には到底敵わない。
それがドラマ的には風林火山とたいして変わらないのに天地人はどうして人気が
続くのか。女性好みのイケメン妻夫木聡が主役しているのに原因がありそうだが
その他に最近は「レキジョブーム」といって女性が歴史、特に戦国時代の男性に
憧れを持ち戦国武将をモチーフにしたグッズを身に付ける流行があるらしい。
「あたしの好みは織田信長よ」「あたしは武田信玄よ」「あたしは伊達政宗
若い女性の流行は猫の目だが、こんな会話が巷では飛び交っているそうだ。
新聞記事によると歴史といえば男性のイメージが強いが、最近は歴史に興味を
持つ女性は男性と同率の6割にのぼるとの事、実際に全国各地の名所旧跡を巡り
歴史小説専門店に足繁く通う女性が急増中とかだが、なぜ今頃になって武将達が
脚光を浴びるようになったのか。裏を返せば現代の男性の頼りなさが原因と思う。
最近の男は表面は優しいが逞しさに欠け万事引っ込み思案でヤワな感じがするし
雄々しい戦国武将的な男性はまず見かけない。三輪明宏、美川憲一假屋崎省吾
山咲トオルなど非男性的な芸能人が闊歩する世の中は結果として男はひたすらに
女性化する。女性側も「女の気持ちを汲んで優しく愛してくれる男が好き」との
男性への要望が多いとかだが、では男性は柔和にならざるを得ないのではないか。
本来の男性は一家の大黒柱であり、男の腕一本で家族を養い幸せにする甲斐性を
持つのが希みや強さであり本懐であった。男は男らしく、女は女らしく、それが
自然の男と女の姿であり互いのいい関係ではないか。「レキジョブーム」なんて
どこかピントがずれている気がしてならない。