隠居の独り言(670)

ここのところ自動車に対する減税措置が目立つ。ETC搭載車の休日の割引は
高速道路をどこまで行っても千円とかで初日は混んだらしいが今は平日並みだ。
東京からの場合、首都高速、首都圏など料金体系がややこしく近郊ドライブは
額面どおりには安くならないので、あまり食指が動かない。それより、政府は
税制改革関連法案を成立させ4月から環境対応車を対象としたエコカー減税
新車購入の際、環境性能レベルに応じて自動車取得税自動車重量税が大幅に
減税されてトヨタ・プリウスホンダ・インサイトなどのハイブリッドカー
100%減免で生産が追いつかず購入から納車まで3−6月待ちの状態だという。
何せ取得税・重量税は購入時10万円以上するのでユーザーにはとても有難い。
エコカー減税はハイブリッドに留まらず燃費の優れた車の大半が対象に入るが
低迷する業界の景気浮揚の起爆剤になりうるのか、自動車産業は奥が深いので
おおいに期待している。追加の補正予算ではTVや電化製品などの購入価格を
10%値引きの措置をするらしいが麻生内閣は予算の歳入が減っても景気対策
優先する方針はいい。でもこの際、不況の原点をもっと深く探ってもらいたい。
日本は言うまでもなく技術立国で、戦後の廃墟から這い上がって現在の繁栄を
勝ち得た世界で類のない素晴らしい国だ。それなのに戦後の立役者というべき
製造業が不景気の暴風雨を一番に受けているのはどうしてなのか。労働賃金が
安いというだけで海外とくに中国等へ生産拠点を移し、肝心要の私達日本人の
仕事が大幅に減って不況の大きな因になっているのが厳然たる事実である事を
みんなが知って欲しいし、単にモノが安ければいいというべき問題ではない。
突き進んで考えたいのは長年に培われた匠の技術は一度失うと再び戻らない。
発表された統計によれば昨年の企業倒産は戦後最高とされ更に増えるという。
政治家、経済界に言いたいのは目先の利益でなく将来のための利益の追求を
模索するべき時は待ったなしだ。日本民族特有の文明文化が消えていく・・