隠居の独り言(701)

戦国時代の前期は室町時代だが、時代も15世紀に入ると幕府の権力が衰退し
最後のとどめとなった応仁の乱は8代・足利義政の時に京都を中心に起こった。
足利将軍職は名のみで、替わって各地の有力な守護大名の中には全国を統一し
天下の野望に燃える者たちが輩出する。上杉、武田、今川、北條、織田、毛利、
しかし守護大名達の夢見た天下とはヨーロッパ的な国家という概念とは違って
先祖伝来の受け継いだ日本列島の範囲を天下として漠然としたものでしかない。
日本は権威の象徴の皇室の下で最高権力を握った者が天命を受けた独裁者とし
全国を治めるという原理が生まれた世界にも不思議な国といえる。その原理の
独裁者は各地の諸将を臣下にするため都に呼び寄せ拝謁させるのが習わしとし
その見返りとして領地を安堵するという権威主義を信長(吉川晃司)が発案し
秀吉(笹野高史)は後を引き継いだ。秀吉の歴史上でも類を見ない運の良さは
彼が天下を取るや、まるでそれを待っていたかのように全国にある諸鉱山の
金産出が飛躍的に増えた事で、そのゴールドラッシュは歴史的にも世界屈指の
産出国になり秀吉は金銀を湯水のように使って天下を治めた。芸術の分野でも
大きな影響を受け茶器、彫刻、画家達は大胆に金銀をちりばめ世界に類のない
画期的な素晴らしい作品を生み出した。秀吉在世中の桃山期は各種経済も伸び
農工業生産は倍加し交易にも力を入れて貧しかった日本の夜明けが到来した。
のちに徳川幕府鎖国して日本人をチマチマした民族にしたが・・・閑話休題
NHK大河ドラマ天地人は秀吉の接待疲れで景勝(北村一輝)が遂にダウン。
兼続(妻夫木聡)は景勝の代わりにあいさつ回りに奔走するがその堂々とした
振る舞いに利家(宇津井健)も感心する。兼続を直臣にしようとする秀吉・・
秀吉重臣の三成(小栗旬)、真田幸村城田優)、初音(長澤まさみ)の姉弟
千利休神山繁)とその娘お涼(木村佳乃)など、ドラマの葛藤が面白い。