隠居の独り言(709)

静岡知事選は民主党が僅差で勝利したが、都議選は与野党どちらが美酒に酔うか。
麻生太郎首相に解散の時期を質問すればハンコを押したように「しかるべき時に
しかるべき決断をいたします」返事の答えが最初から分かっているのに質問する
マスコミもワンパターンだが、その曖昧戦術がややこしい政治の戦略なのだろう。
即選挙を叫ぶ野党はイライラが続き踊らされているのを承知してもセンセー方は
選挙区までを行ったり来たりの労力も経費も大変なものだろうとお察しする。
選挙がありそうな、なさそうな曖昧さは首相の高度の政治戦略なのか、それとも
解散権の伝家の宝刀さえも党の古狸に握られてしまったか。でも曖昧な首相の
接し方が不満でも政治家や国民に考える時間を与える意味でとてもいいと思う。
首相に言いたいのは、不人気は承知でも下手な芝居は止めよう。まして人気者の
○○知事に出馬を願うなんて下の下だ。歴代首相の中でも最も仕事している姿は
国民は知っているはずで国政選挙は人気投票ではない。首相は泰然としていよう。
曖昧戦術は国内にとどまらず国際関係だって同じで、北朝鮮は核保有宣言をして
俺は核を持っているぞ!と、はっきりさせる威嚇の戦法だが国際的には通らない。
疑惑のイスラエル核兵器については持っているとも持っていないとも言わない。
だから敵対するアラブ諸国が下手に手を出せないのは今までの経緯が物語る。
アメリ第7艦隊横須賀基地寄港の際も「艦船に核を積んでいますか」との
記者のワンパターンの質問は「核搭載はイエスともノーとも言わない」と言う。
この曖昧にすることによって近隣諸国に対して刺激しないように配慮し、反面に
核抑止力になっている意図を含んでいるのに効果抜群だ。その辺りのサジ加減を
非核三原則」と○○の一つ覚えみたいに叫んでいる人たちの考えが分からない。
関西人の挨拶の一つに「景気はどないでっか?」「ボチボチでんなぁ」があるが、
その曖昧な言葉は、ぼんやりとした暖かみがあって日本語のすぐれた美学と思う。
各地に安全な原子力発電所を持ち、優秀な人工衛星を飛ばせる技術立国の日本が
核の話になると口を噤んでしまうのは何故だろう。日本も核の論議があっていい。
曖昧な麻生さん、どうせここまできたのだから雑音は耳にせず任期いっぱい務め
景気対策に没頭してもらいたい。あせることはない、果報は寝て待てばいい。