隠居の独り言(711)

麻生太郎の解散宣言は首相だけが持つ専権事項の行使であり他の人がとやかく
言う事でないと思う。今までの麻生太郎の宰相としての出来は可も不可も無く
特別に失点も無いのに何故か人気が無いのは太郎個人のことより不況、収入減、
失業、雇用情勢は厳しく、元を質せば、自民党とりわけ小泉経済政策の失政の
後始末と世界不況が重なって閉塞感が国民の不満を募らせ麻生が泥を被った。
どうせ解散宣言をするなら間髪入れずに祖父の吉田茂のようにバカヤロー!と
一発かませば世間の評判は彼に集中する。「麻生おろし」の音頭を取っている
中川秀直佐藤ゆかり等のグループに文句があるなら党を出てゆけと、喧嘩も
辞せずの態度を示さないと自民党が割れてしまう。世間の評判とはシンプルで
先だって小泉純一郎郵政選挙はライオンの遠吠えで選挙民は一斉になびいた。
ついでに申せば1933年のドイツの選挙でヒトラーのパフォーマンスに国民は
騙された。善悪は別に麻生太郎に強い印象が少ないのが支持率低下に直結する。
それなら逆に敗軍の将のように美意識を伴う悲壮感を漂わせれば国民に受ける。
個人的には麻生太郎のタイプは好きだが宰相の器として欠けているのだろうか。
今度の選挙の特色は長い間続いた保守的自民党政権に幕が降り二大政党時代の
到来を告げている。それは事実上、有権者が直接に首相を公選出来るシステムに
なったと言える。8月末に決まるのは、麻生太郎首相か?鳩山由紀夫首相か?
マンガチックな両党首だが、どちらが勝っても二人しか選べない我が国が寒い。
各党のマニフェストもそろそろ出揃うだろう。全部が全部、読みきれなくても、
選びやすくなったのは事実だ。人生を卒業しそうな自分でも日本の曲がり角を
この目で確認出来るのは良かったのか、悪かったのか、どちらにしても世界の
潮流にきちんと乗れるよう政治家諸君、日本の将来を見据えて頑張って欲しい。