隠居の独り言(728)

衆院選挙の結果を見てつくづく思うのは主義主張や理屈には関係無く人心とは
勝ち馬に乗らねば損とばかりに右から左への風で政治勢力が大きく変わった。
勝敗の原因は今更詮無いが民主党主導の政権で今までと大きく違うのは外交で
鳩山由紀夫が主張する「友愛外交」とは要するに何事も話し合えば相手に通じ
解決出来るという微笑路線だがそれで通じるなら近隣国との摩擦も無いはずだ。
クリントン元大統領や韓国財界会長がそれぞれ北朝鮮に行って自国民の人質を
取り返してきたニュースを聞くたびに思うのは、なぜ我が国の拉致被害者達が
戻らないのか?悔しさがつのるばかり・最大の原因は日本の力の無さに尽きる。
北朝鮮が我が国をなめているのは何をしても日本は戦力を行使出来ない国だと
見抜いているからで向こうは拉致被害者外交カードとして強気に攻めてくる。
それは北朝鮮だけに限らない。中国に韓国にロシアに領土や経済の問題全てが
力の背景の無い日本の弱みに付け込んで無理難題を呑み込まされてきたことは
戦後史を少しでも研究すれば分かることだが、なぜか左寄りの人たちは根本を
知ろうとしないのは日本の悲劇だと思う。鳩山由紀夫の祖父の鳩山一郎だって
戦後のロシアとの協定で北方固有領土の僅か二島だけの妥協を強いられたのは
まさに力の無さの情けなさだったし敗戦に打ちひしがれた日本に容赦なかった。
昭和20年8月15日に日本が連合軍に降伏したのに、その後の8月28日から
ロシアは北方領土に侵略したのは国際的にも悪辣で今に至るのを再確認しよう。
あれから半世紀以上が過ぎて、無念の一郎のDNAを引き継いだ孫の由紀夫は
仇を返す覇気があるのか。北方領土も拉致も竹島尖閣も、力の背景があって
糸口が見えるのは国際関係がいつも力であるのが常識であることを政治家は
知ってか知らずにか、何故か政治家たちは口を噤む。内政はやり直しが効くが
外交はやり直しが効かないのは歴史が物語る。何故憲法を改正しないのか?
何故普通の軍隊が持てないのか?国際関係という事柄を正しく見つめよう・・
新政府に望むのは日本を普通の国家にすることだ。