隠居の独り言(731)

先の衆院選自民党は惨敗をしたが原因の大きな一つは党を束ねるリーダー達の
驕りが高ぶり淀んで国民の気持ちから離れているのに気がつかなかったことだ。
16日の特別国会の首班指名選挙で「麻生太郎」と名を書くか白紙にするかなど
意見が分かれること自体、おかしな話ではないか。16日の段階で自民党総裁
麻生太郎なのだから、たとえ総裁が辞意を表明しても「麻生太郎」と書くのが
当たり前のことなのに初歩的な結束も出来ないようでは先がますます暗くなる。
みんなで担ぎ上げて少し人気が落ちれば「ご本尊」のせいにする。無責任だ!
所詮「麻生のせいで厳しい選挙になった」という議員の私的な感情でしかない。
麻生一人を悪者にしてTVなどで、シタリ顔で喋る自民党議員にはヘドが出る。
日本人たるもの、政治を志す人は昔から滔々と流れる日本人の士魂を忘れては
政治家失格で、日頃「日本人の美風」などと強調した保守自民党の名に恥じる。
自民党は長い間の政権維持で人心が淀み過ぎた。夫婦に例えば日が経つにつれ
緊張感が損なわれていく。緊張感の根底は絶えず自らを律し美しく見せること、
恋人や夫婦の間柄でも、政治家と国民の間柄でも、慣れっこになって緊張感が
緩んでしまうと互いに心が離れていく。最近の自民党は金銭と名誉の欲だけが
渦巻く心の狭さ、俗悪さしか映らなくなっている国民の目を意識しなかった。
私は自民党が好きだ。今回は、みんなに殴られて頭を剃られてしまったけれど、
必ずや立ち直って、端正で、洗練された新自民党を待っている。