隠居の独り言(746)

マニフェストとはどういう意味だろう?広辞苑を引くと{宣言}と書かれてあった。
立派な日本語があるのにカタカナ語に転換するのは、西洋かぶれの安っぽい感じと
怪しげな気がしてならない。民主党が野党のときに政権取りの一環として公約した
マニフェストは、やはり現実的で無かったように思う。95兆円を越す概算要求は
絵に書いた餅に等しく食べるには結局は国債を上乗せだけの事で将来の借金地獄の
苦しさを待つだけだ。先の衆院選で国民は甘い言葉に騙されたといって過言でない。
政治家の言葉は重く選挙前に赤字国債は発行しないと語った発言はどこへいったか。
自民党のだらしなさも目を覆いたいが、政権を取った民主党もビジョンの貧困さを
曝け出したのには国の将来が思いやられる。国民は借金を重ねてまでマニフェスト
実行して欲しいとは望んでいない。一例は、子供手当てだが、政治家の何人が実際に
わが子を肌で接し密着に育てた経験があるだろうか。家は中学2年を頭に5人の子の
育児家庭だが、食べ盛りを育てるには半端じゃない出費と諸々の苦労が強いられる。
子供手当ては確かに有難いが、その子供たちが大人になった時、膨大な借金に子らを
苦しめるとしたら手当てはむしろ余計なお世話で将来を見据えれば愚の政策といえる。
政治として考えるなら目の前のお金ではなく知的能力や技術を学ぶ教育に力を高める
教育に資力を注ぐべきで、資源の無い日本がここまで成長したのは昔の教育の賜物だ。
高校生授業無償の制度も本来なら義務教育を3年間延ばすのが筋でピント外れの感だ。
日教組の考案したユトリ教育とやらの学力の低下が問題になっている現時点でも未だ
目覚めずに世界の水準からも堕ちていく現状を政治家は考えて欲しい。それどころか
日教組の親分が参議院を牛耳っているのにはますます先が暗い。最近の政治家は何かと
何億・何兆とかの数字をこともなげに喋るが庶民には程遠い単位の数字に麻痺している。
そして恐ろしい天文学的な借金にも麻痺している。今はマニフェストなんて要らないし
先の衆院戦で勝ったといえ国民から白紙委任状を貰ったと勘違いしないでほしい。